留学エージェントと契約したあとに、「留学を延期したい」「別の会社へ変更したい」「家庭や仕事の事情で渡航できなくなった」と悩むことがあります。
結論からいえば、契約後でもキャンセルを申し出ることは可能です。ただし、支払った費用が全額返金されるとは限りません。
留学エージェントのキャンセル料に加え、すでに申し込んだ学校、滞在先、航空券、保険などの取消料が発生する場合があります。申し出る時期が遅くなるほど、返金額が少なくなる可能性もあります。
キャンセルを決めたら、契約書や約款を確認し、できるだけ早く留学エージェントへ連絡することが大切です。
この記事では、留学エージェントを契約後にキャンセルする手順、発生する可能性がある費用、返金の確認方法、連絡に使えるメール例文を解説します。
留学エージェントは契約後でもキャンセルできる?
契約後でも、留学エージェントへキャンセルを申し出ることはできます。
ただし、キャンセルできることと、費用が全額返金されることは別の問題です。
返金額は、主に次の条件によって変わります。
- 契約した留学エージェント
- 契約したプラン
- キャンセルを申し出る時期
- 学校へ出願済みか
- 学費を支払い済みか
- 滞在先を手配済みか
- ビザを申請済みか
- 航空券や保険を契約済みか
- 留学開始日までの残り日数
- キャンセルする理由
契約書や約款には、キャンセル料が発生する時期、返金されない費用、返金までの期間などが記載されています。
口頭で聞いた説明だけに頼らず、書面の内容を確認しましょう。
契約成立のタイミングを確認しよう
キャンセルを考えるときは、最初に契約がいつ成立したのかを確認します。
留学エージェントによって、契約成立の条件が異なる場合があります。
たとえば、次のような時点が契約成立日として定められている可能性があります。
- 申込書を提出した日
- 電子契約へ同意した日
- 申込金を支払った日
- 留学エージェントが申し込みを承諾した日
- 学校への出願を依頼した日
「まだ学費を払っていないから契約前だと思っていた」という場合でも、申込書の提出や電子契約への同意によって契約が成立している可能性があります。
契約書、申込書、確認メール、利用規約などを見て、契約成立日を確認してください。
留学キャンセルで発生する可能性がある費用
留学のキャンセルでは、留学エージェントだけでなく、複数の事業者から費用が差し引かれる可能性があります。
主な費用を順番に確認しましょう。
留学エージェントのキャンセル料
留学エージェントが定める解約手数料やキャンセル事務手数料です。
金額は会社やプランによって異なり、次のように設定される場合があります。
- 一定額のキャンセル手数料
- 申込金の全額
- 支払額の一定割合
- 留学開始日までの期間に応じた金額
- すでに実施した手続きの実費
契約直後と出発直前では、キャンセル料が異なる可能性があります。
具体的な金額は、契約書や約款に記載された条件を確認してください。
学校の入学金や授業料
すでに学校へ出願している場合は、学校側のキャンセル規定が適用されることがあります。
入学金や登録料は、授業開始前でも返金されない場合があります。
授業料については、キャンセルを申し出る時期によって、全額返金、一部返金、返金なしなど条件が変わる可能性があります。
留学エージェントの規定とは別に、学校側の返金規定も確認しましょう。
滞在先の手配料や滞在費
ホームステイ、学生寮、シェアハウスなどを申し込んでいる場合は、滞在先のキャンセル料が発生する可能性があります。
次の費用が返金対象になるか確認してください。
- 滞在先の手配料
- 登録料
- 保証金
- 前払いした滞在費
- 清掃費
- 空港送迎費
留学開始日が近い場合は、一定期間分の滞在費が返金されないこともあります。
ビザ申請にかかった費用
ビザの申請料や申請支援料は、すでに手続きが行われていると返金されない可能性があります。
留学エージェントのビザ申請サポート料と、渡航先政府へ支払う申請料は別の費用です。
それぞれ返金対象になるかを確認しましょう。
航空券のキャンセル料
航空券を予約している場合は、航空会社や購入した料金プランの規定が適用されます。
格安の航空券は変更や払い戻しができない場合があるため、予約内容を確認してください。
返金可能な航空券でも、取消手数料が差し引かれることがあります。
海外留学保険の取消料
海外留学保険へ加入済みの場合は、保険会社へ解約や出発日の変更を連絡します。
補償開始前と開始後では、返金条件が異なる可能性があります。
留学エージェントを通して申し込んだ場合も、保険会社の規定を確認しましょう。
海外送金に関する費用
すでに海外の学校や滞在先へ送金されている場合は、返金時にも送金手数料がかかる可能性があります。
また、支払ったときと返金されるときの為替レートが違うと、日本円で受け取る金額が支払額より少なくなる場合があります。
留学エージェントの手数料や費用の内訳については、留学エージェントの手数料相場を解説した記事も参考にしてください。
キャンセル料はいつから発生する?
キャンセル料が発生する時期は、留学エージェントや学校の規定によって異なります。
一般的には、次の段階へ進むほど、返金されない費用が増える可能性があります。
- 無料相談を受けた段階
- 留学エージェントへ申し込んだ段階
- 申込金を支払った段階
- 学校へ出願した段階
- 学費や滞在費を支払った段階
- ビザを申請した段階
- 航空券や保険を契約した段階
- 出発日や授業開始日が近づいた段階
- 留学が始まったあと
同じ日でも、留学エージェントが学校へ出願する前と後では、キャンセル料が変わる場合があります。
キャンセルを決めたら、連絡を先延ばしにせず、早めに申し出ましょう。
留学エージェントをキャンセルする手順
契約後のキャンセルは、次の流れで進めます。
1.契約書と約款を確認する
最初に、契約時に受け取った書類やメールを確認します。
特に確認したい項目は次のとおりです。
- 契約成立日
- キャンセルの連絡方法
- キャンセル料が発生する時期
- 返金されない費用
- 学校や滞在先の取消料
- 返金額の計算方法
- 返金までの期間
- 振込手数料や送金手数料
- 留学延期やプラン変更の条件
分からない部分には印を付け、留学エージェントへ質問しましょう。
2.手配済みの内容を確認する
どの手続きが完了しているかによって、発生する費用が変わります。
次の項目を担当者へ確認してください。
- 学校へ出願済みか
- 入学許可書が発行されているか
- 学費を海外へ送金済みか
- 滞在先が確定しているか
- ビザを申請済みか
- 航空券を予約済みか
- 保険へ加入済みか
- 現地サポートを手配済みか
「現在までに実施された手続きの一覧を教えてください」と依頼すると確認しやすくなります。
3.できるだけ早くキャンセルを申し出る
キャンセル料は、申し出た日を基準に計算される場合があります。
電話だけでなく、メール、問い合わせフォーム、指定のキャンセル申請書など、記録が残る方法で連絡しましょう。
契約書に連絡方法が指定されている場合は、その方法に従ってください。
4.キャンセル料の内訳を書面でもらう
キャンセル料を提示されたら、合計金額だけでなく内訳を確認します。
次のように分けてもらいましょう。
- 留学エージェントのキャンセル料
- 学校のキャンセル料
- 滞在先のキャンセル料
- ビザ関連費
- 航空券の取消料
- 保険の取消料
- 海外送金手数料
- その他の事務手数料
それぞれの費用が契約書のどの規定に基づくものかも確認してください。
5.返金額と返金日を確認する
支払い済みの金額からキャンセル料を差し引き、いくら返金されるのかを確認します。
確認する項目は次のとおりです。
- 支払い済みの総額
- キャンセル料の合計
- 返金予定額
- 返金方法
- 返金先の口座
- 返金予定日
- 返金時の為替レート
- 振込手数料の負担者
口頭で説明を受けた場合も、確認メールを送り、文章で記録を残しておきましょう。
6.必要書類を提出する
留学エージェントによっては、指定のキャンセル申請書や返金先口座の情報を提出する必要があります。
提出した書類はコピーやデータで保存してください。
7.返金を確認する
予定日を過ぎても返金されない場合は、担当者へ状況を確認します。
担当者から回答がない場合は、会社の代表窓口や責任者へ連絡しましょう。
キャンセルを依頼するメール例文
キャンセルの意思は、曖昧にせず明確に伝えることが大切です。
次の例文を自分の状況に合わせて変更してください。
契約後にキャンセルする場合の例文
件名:留学契約のキャンセルについて
〇〇留学エージェント
〇〇様
いつもお世話になっております。
〇月から〇〇へ留学予定の〇〇です。
大変申し訳ありませんが、諸事情により今回の留学を中止することになりました。
つきましては、契約している留学プランのキャンセル手続きをお願いいたします。
現在までに手配済みの内容、発生するキャンセル料、返金予定額、必要な手続きについて、書面またはメールでご案内いただけますでしょうか。
お手数をおかけしますが、よろしくお願いいたします。
〇〇〇〇
留学延期も検討したい場合の例文
件名:留学の延期またはキャンセルについてのご相談
〇〇留学エージェント
〇〇様
いつもお世話になっております。〇〇です。
家庭の事情により、予定していた〇月の渡航が難しくなりました。
可能であれば留学時期の延期を希望していますが、延期が難しい場合はキャンセルも検討しております。
次の点についてご案内いただけますでしょうか。
- 留学時期を変更できるか
- 変更手数料はいくらか
- 学校や滞在先の変更条件
- キャンセルした場合の費用
- 返金される金額と時期
確認後、今後の対応を決めたいと考えております。
よろしくお願いいたします。
〇〇〇〇
キャンセル料の内訳を確認する例文
件名:キャンセル料と返金額の内訳について
〇〇留学エージェント
〇〇様
お世話になっております。〇〇です。
先日ご案内いただいたキャンセル料について、内容を確認したくご連絡しました。
次の項目を含む内訳を、メールまたは書面でお送りいただけますでしょうか。
- 支払い済みの総額
- 留学エージェントのキャンセル料
- 学校や滞在先など各手配先のキャンセル料
- 返金対象外となる費用
- 最終的な返金予定額
- 返金予定日
あわせて、各費用が契約書または約款のどの規定に基づくものかもご案内いただけますと幸いです。
よろしくお願いいたします。
〇〇〇〇
キャンセルではなく延期・変更で対応できる場合もある
留学を完全に中止する必要がない場合は、キャンセル以外の選択肢も確認しましょう。
たとえば、次のような変更が可能な場合があります。
- 留学開始日の延期
- 留学期間の短縮
- 学校やコースの変更
- 渡航先の変更
- 滞在方法の変更
- オンライン授業への変更
- 支払い済み費用の次回留学への充当
キャンセルするより変更手数料のほうが少ない可能性もあります。
ただし、変更後の期限や追加料金を確認し、無理に留学を続けないようにしましょう。
クーリング・オフは利用できる?
クーリング・オフとは、法律で定められた特定の取引について、一定期間内なら契約を解除できる制度です。
しかし、留学エージェントとの契約だからといって、すべてのケースで自動的にクーリング・オフが適用されるとは限りません。
契約した場所、勧誘方法、サービス内容、契約の経緯などによって判断が変わる可能性があります。
「契約から8日以内なら必ず全額返金される」と自己判断せず、契約書を確認してください。
適用されるか分からない場合や、強引な勧誘によって契約した場合は、消費者ホットライン188へ相談しましょう。
キャンセル料に納得できないときの対処法
説明されていない費用を請求された場合や、契約書と異なる対応をされた場合は、次の順番で確認します。
契約書と請求内容を照合する
請求された金額が、契約書や約款のどの項目に基づくのか確認します。
キャンセル料の名称だけでなく、計算方法と対象になるサービスも確認してください。
書面で説明を求める
電話だけでなく、メールで内訳と根拠を質問します。
担当者から回答がない場合は、会社の代表窓口や責任者へ連絡しましょう。
担当者とのやり取りに問題がある場合は、留学エージェントの担当者変更を依頼する方法も参考になります。
学校側の規定を確認する
学校や滞在先のキャンセル料として請求されている場合は、可能であれば各事業者の返金規定も確認します。
留学エージェント独自の費用と、学校などへ支払う費用を分けて考えましょう。
消費生活センターへ相談する
留学エージェントと話し合っても解決しない場合は、消費者ホットライン188へ相談できます。
188へ電話すると、最寄りの消費生活センターなどの相談窓口につながります。
契約書、見積書、請求書、メールのやり取り、支払い記録などを手元に用意して相談しましょう。
高額な契約や法的な判断が必要な場合は、弁護士などの専門家への相談も検討してください。
留学エージェントで起こりやすい問題と相談先は、留学エージェントのよくあるトラブル7選でも解説しています。
キャンセル時に保存しておきたい記録
問題が発生した場合に備えて、次の記録を保存しておきましょう。
- 契約書と約款
- 申込書
- 見積書と請求書
- 支払いを証明する明細
- 学校や滞在先の申込内容
- 担当者とのメール
- 問い合わせフォームの送信内容
- キャンセルを申し出た日時
- 電話で話した担当者名
- キャンセル料の内訳
- 返金予定額と返金予定日
- 提出したキャンセル申請書
電話で話した場合は、通話後に「本日お電話で確認した内容」としてメールを送り、認識が合っているか確認すると記録を残せます。
契約前にキャンセル条件を確認する方法
キャンセル料のトラブルを避けるには、契約前の確認が重要です。
無料相談では、次の質問をしておきましょう。
- 契約はいつ成立しますか?
- キャンセル料はいつから発生しますか?
- 契約直後に解約した場合はいくらかかりますか?
- 学校への出願後はいくらかかりますか?
- 返金されない費用はありますか?
- 学校や滞在先の取消料は別にかかりますか?
- 留学を延期する場合の費用はいくらですか?
- ビザが取得できなかった場合は返金されますか?
- 学校側の都合で中止になった場合はどうなりますか?
- 返金まで何日かかりますか?
無料相談で確認したい項目は、留学エージェントの無料相談で聞くこと10選にもまとめています。
複数社の見積もりやキャンセル条件を比較する場合は、留学エージェントの見積もりを比較する方法もご覧ください。
契約を急かされたときは一度持ち帰ろう
割引や空席の期限を理由に、すぐ契約するよう求められることがあります。
本当に期限がある場合もありますが、契約前に次の内容を確認する時間を取りましょう。
- 費用の総額
- サポート内容
- 追加料金
- 支払期限
- キャンセル料
- 返金条件
- 学校と滞在先の規定
無料相談を受けても、必ず契約する必要はありません。
契約前に断る場合の伝え方は、留学エージェントの断り方とメール例文で紹介しています。
留学エージェント自体を比較したい場合は、留学エージェントおすすめ5社の比較記事も参考にしてください。
よくある質問
申し込み直後なら無料でキャンセルできますか?
申し込み直後でも、契約内容や手続きの進み具合によって費用が発生する可能性があります。
契約成立日とキャンセル規定を確認し、すぐに留学エージェントへ連絡してください。
学費を払う前ならキャンセル料はかかりませんか?
学費を支払う前でも、契約が成立していたり、学校への出願が行われていたりすると、手数料が発生する可能性があります。
支払いの有無だけで判断せず、契約書と手続き状況を確認しましょう。
キャンセル理由を詳しく説明する必要がありますか?
手続き上、理由の確認を求められることはありますが、必要以上に個人的な事情を詳しく話さなくてもよい場合があります。
「家庭の事情」「健康上の事情」「仕事の都合」など、簡潔に伝えたうえで手続きを確認しましょう。
担当者へ電話するだけでキャンセルできますか?
電話だけでは正式なキャンセルとして扱われない可能性があります。
契約書で指定された方法を確認し、メールや申請書など記録が残る方法でも連絡してください。
返金にはどのくらいかかりますか?
返金までの期間は、留学エージェントや学校、海外送金の状況によって異なります。
返金予定日を文章で確認し、予定日を過ぎた場合は問い合わせましょう。
高額なキャンセル料を請求されたらどうすればよいですか?
まず契約書と請求の内訳を確認し、料金の根拠を書面で説明してもらいましょう。
説明に納得できない場合や、契約書と異なる請求を受けた場合は、消費者ホットライン188や専門家へ相談してください。
まとめ|契約後のキャンセルは早めに書面で連絡しよう
留学エージェントは契約後でもキャンセルを申し出ることができます。
ただし、留学エージェントの手数料だけでなく、学校、滞在先、ビザ、航空券、保険、海外送金などの費用が差し引かれる可能性があります。
キャンセルを決めたら、次の順番で進めましょう。
- 契約書と約款を確認する
- 手配済みの内容を確認する
- できるだけ早くキャンセルを申し出る
- キャンセル料の内訳を書面でもらう
- 返金額と返金予定日を確認する
- 必要書類を提出する
- 実際の返金を確認する
電話だけで終わらせず、メールや指定書類など記録が残る方法で連絡することが重要です。
キャンセル料や返金条件に納得できない場合は、契約書、見積書、請求書、メールなどを保存し、消費者ホットライン188へ相談しましょう。
契約前の段階でキャンセル条件まで比較しておけば、留学計画が変わった場合の負担を減らしやすくなります。


